Cafe 568 : 五郎八が思ったこと、感じたことを綴る 地熱住宅・五郎八の家



今日までの住宅および、商業建築の建設コストの考え方は、
「直接設計費」(材料費+労務費) + 「間接建設費」(設計費+管理費)と、この大きなふたつで建設費の合計で考えられています。 入札等を行い、それによって少しでも安い価格に価値を見出してきました。
ところがこの考え方は、建築物を完成するまでの価格なのです。

ここで少しよく考えてみましょう。
建築物というのは、建物が完成してから30年〜50年は使用するので、
この使用期間中にどれだけのお金が使われるのかを考えなければなりません。
この考え方が「ライフサイクル・アセスメント」(LCA)です。
つまり、建築物が誕生してから死を迎えて解体されるまで(建物もひとつの生き物として考える)、
その一生にどれたけのお金が掛かるのかを考えなければなりません。

21世紀の建設コストの考え方は、
直接建築費+間接建設費+生活建設費(エネルギー消費+メンテナンス費用+解体廃棄処理費)なのです。

30年〜50年間の長期にわたる生活建築費を、どのようにしてコストダウンすることができるのか?
建築主・建築の提供側にとって最も大切なところです。

私たちは、すでにこのノウハウを持っており、すべての建物で十分な結果がでています。
たとえば、姫路市内で約50坪の2階建ての二世帯住宅がありますが、夏も冬もほとんど冷暖房を必要としません。
特に今年の夏は猛暑にもかかわらず、ほとんど冷房を使用しなかったそうです。
もうひとつは、たつの市内で建築した約150坪の2階建ての医院があります。
今年の真冬を体験したところ、外気温が2℃の日に暖房なしで室内温度が15℃ありました。

このように生活建築費を約2割投入することにより、前者の二世帯住宅は8年〜10年でペイし、
後者の医院は3年〜4年でペイすることになります。
特に医院については、旧建物が鉄筋コンクリート2階建てだったので、暖房費がなんと約1/6になったのです。
さらに建物の室内で温度差が起こらないので、
患者さん・看護師さん・院長さん・受付の事務の方たちが心地よくお仕事をされています。


2001年10月03日 記

エコロジー建築家 矢上五郎八
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